2016-09-27 海と毒の話:2 フィクション 一日をはじめるのが 難しくて一日を終えるのは それ以上に難しい声が聞こえているなら 目をさまして こっちを向いてあなたの胸に沿って落ちる影だけが 本当のわたしのような気がするあなた一人さえこぼしてしまう手は 何を掴めるのだろう何にもなれないまま 今夜 あなたとの最後のセックス世界が逆さまにひっくり返って 雨が空を向いて降り出したならそのとき わたしは 爪の白いところを 甘いと感じることができるのだろうか