メモ帳

しらとりまな(てまり)のメモ帳です。

おそらく深夜1

ざらし

 

冷たい雨と

砂埃を立てる風が

 

お気に入りのオーバーオールを黒くしていく

 

ざらし

 

白く光る太陽が

肌を焼いた

 

夢へと誘う月が

脆い心を砕いた

 

それでもわたしは帰らなかった

帰るところがどこなのか

忘れているのだ

 

いや

はじめから知らなかったのかもしれない

 

繁華街は

今も明るい

 

人々の声を隠すように

点滅する光が

わたしを動かす

 

わたしはここで止まれない

止まれずに

何かを訴えようとしていた

 

わたしの古い記憶

パンジーの真ん中で笑っていた写真より

ずっと

ずっと前の

 

わたしは何も知らない

白い塊だった

 

求めることしかできない

ただの赤ん坊だった

必要な言葉が

まだ足りないのかもしれない

これ以上の愛の囁きを

知りたい

 

パンジー

今はもう

そんなに好きじゃないけど

お母さんが好きだっていうから

 

今年もまた

プランターを並べるのだろうな